では、なぜ覇王別姫は、国を問わず、これほど有名な映画になったのでしょうか。覇王別姫は民国から中国の文化大革命までの程蝶衣(チェン・ディエイー)という京劇の俳優のストーリーを語りました。彼の物語に加えて、中国の重要な歴史段階における伝統文化の伝承と起伏を描いています。
程蝶衣は幼い頃、妓楼で働いた母に梨園(京劇を学ぶ場所)に連れて行かれて、梨園で育ちました。彼は女形に選ばれましたが、芝居と現実の区別が分からず、「覇王別姫」という劇で共演している兄弟子が好きになりました。数年後、彼らは有名になって、兄弟子がある遊女と結婚しました。二人の関係は冷たくなりましたが、程蝶衣は日本軍に逮捕された兄弟子を救うために日本人に京劇を演じました。第二次世界大戦の後、中華民国軍がこの事件で程蝶衣を逮捕しました。彼は釈放されましたが、文化大革命のころ、京劇は古い社会の象徴になり、程蝶衣は非難されました。それから十一年、もう一度兄弟子と共演した程蝶衣は、リハーサル中に、「覇王別姫」の中の虞美人と同じく、覇王の剣を使って自殺しました。物語はこのような悲劇的な結末を迎えました。
この映画の監督と俳優はとても有名です。映画の撮影方法はとても精巧で繊細です。言葉では言い表せないほどです。程蝶衣を演じたレスリー・チャンは、かつて中国で最も愛された俳優でした。悲しいことに、同性愛者であったレスリーはうつ病で自殺しました。また、レスリーの完璧な演出あっての「覇王別姫」でした。
今では京劇を聞く若い人はほとんどいなくなりました。文化の一部がなくなることで惜しまれるしかないのです。映画を見て、伝統文化の保護は深刻な問題だと改めて思いました。しかし、文化と歴史を覚えるために、いい映画が生まれます。
残念ながら、映画の中の同性愛の表現や政治的な理由から、中国ではもう上映されないかもしれません。映画館でこの映画のために作られたパネルやポスターを見てとても感動しました。この映画を愛している人が、世界中にいることが分かり、とっても嬉しいです。そのような国境を越えた尊敬と愛情は、どんな映画にとっても欠かせないと思いました。
今回の上映は日本で最後の上映になるので、みなさん、興味があったら、ぜひ映画館で見に行きましょう!
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